InDesignのバージョン一覧をお探しですね。
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InDesignのバージョン違いで困らないために──開けない・崩れた時の対処法
InDesignは、同じ「.indd」という拡張子のファイルでも、**どのバージョンで保存したか**によって開ける環境が変わってきます。
特に印刷会社やフリーランスのデザイナーとデータをやり取りするとき、「相手のInDesignでファイルが開けない」「IDMLに変換したらレイアウトが崩れた」といったトラブルはよく起こります。
この記事では、InDesignの主なバージョン一覧、自分が使っているバージョンやファイルの確認方法、古いバージョンへ変換する「下位保存」の手順、そして入稿前に気をつけたいポイントをわかりやすく解説します。
InDesignのバージョン一覧とファイル互換性の基本
InDesignは、Illustratorのように保存時に「CS6形式で保存」「CC形式で保存」といった選択肢がありません。
基本的に、**新しいバージョンで保存したINDDファイルを、古いバージョンで直接開くことはできない**仕組みになっています。
たとえば、InDesign 2024で保存したINDDファイルを、InDesign 2021やCS6でそのまま開こうとしても、「このファイルは新しいバージョンで作成されています」といったエラーが出て開けません。
逆に、**新しいInDesignで古いINDDを開くことは比較的スムーズ**です。
その場合、開いた時点で新しい形式に自動変換されます。
つまり、InDesignの互換性は**「上位互換はしやすいけど、下位互換は一工夫必要」**と覚えておくと安心です。
代表的なInDesignのバージョン一覧
Creative Cloud(CC)以降は年次更新になり、細かいアップデートも頻繁に行われるようになりました。
実務では「InDesign 2024」といった製品名だけでなく、「19.5」のような**内部バージョン番号**も確認しておくと、認識のズレを防げます。
| 製品名 | 主な内部バージョン | リリース時期の目安 |
|—|—:|—|
| InDesign 1.0 / 1.5 / 2.0 | 1.x〜2.x | 1999〜2002年頃 |
| InDesign CS | 3.0 | 2003年頃 |
| InDesign CS2 | 4.0 | 2005年頃 |
| InDesign CS3 | 5.0 | 2007年頃 |
| InDesign CS4 | 6.0 | 2008年頃 |
| InDesign CS5 | 7.0 | 2010年頃 |
| InDesign CS5.5 | 7.5 | 2011年頃 |
| InDesign CS6 | 8.0 | 2012年頃 |
| InDesign CC | 9.0 | 2013年頃 |
| InDesign CC 2014 | 10.0 | 2014年頃 |
| InDesign CC 2015 | 11.0 | 2015年頃 |
| InDesign CC 2017 | 12.0 | 2016〜2017年頃 |
| InDesign CC 2018 | 13.0 | 2017〜2018年頃 |
| InDesign CC 2019 | 14.0 | 2018〜2019年頃 |
| InDesign 2020 | 15.0 | 2019〜2020年頃 |
| InDesign 2021 | 16.0 | 2020〜2021年頃 |
| InDesign 2022 | 17.0 | 2021〜2022年頃 |
| InDesign 2023 | 18.0 | 2022〜2023年頃 |
| InDesign 2024 | 19.0 | 2023〜2024年頃 |
| InDesign 2025 | 20.0系 | 2024年以降 |
古い制作環境が残っている現場では、CS6以前のデータを扱うこともあります。
ただ、CSシリーズはすでにサポートが終了していて、最新のOSとの相性やライセンス認証、フォント環境の再現が難しいケースも増えています。
古いINDDを無理に編集し続けるよりも、新しいInDesignで開いて検証し、必要に応じて**PDF入稿に切り替える**か、**レイアウトを作り直す**ほうが安全な場合もあります。
バージョン一覧はあくまで目安です。
実際の互換性は、使っている機能、プラグイン、フォント、リンク画像、OS環境によって変わってくる点も覚えておきましょう。
使用中のInDesignバージョンとファイルの保存バージョンを確認する方法
今使っているInDesignのバージョンを確認する
まず、自分が使っているInDesign本体のバージョンは、アプリのメニューから簡単に確認できます。
– **Windows**:「ヘルプ」メニュー →「InDesignについて」
– **Mac**:画面左上の「InDesign」メニュー →「InDesignについて」
ここを開くと、製品名と内部バージョン番号が表示されます。
Creative Cloudデスクトップアプリからも、インストール済みアプリの詳細でバージョンを確認できます。
外部とデータをやり取りするときは、「InDesign 2024です」だけでなく、**「19.5です」のように小数点以下まで伝える**と、相手側の環境確認がスムーズになります。
INDDファイル自体の保存バージョンを確認する
INDDファイルがどのバージョンで保存されたかは、アプリ本体ほど簡単に画面上で常に表示されるわけではありません。
新しいInDesignで古いファイルを開いた場合、タイトルバーに「変換」などの表示が出たり、保存時に新しい形式として保存するよう求められたりします。
この表示が出る場合は、少なくとも**現在のInDesignより古いバージョンで作られたファイル**だと判断できます。
どのバージョンで保存されたかを厳密に確認したい場合は、Adobe Bridgeのメタデータを見たり、制作元にヒアリングしたりするのが現実的です。
実務で大事なのは「誰が、どのバージョンで、どの状態を最終版とするか」
保存バージョンの確認よりも、**「誰が、どのInDesignで、どの状態のデータを最終版として扱うか」を明確にすること**が重要です。
たとえば、A社はInDesign 2022、B社はInDesign 2024を使っている場合、B社が一度でもINDDを上書き保存すると、A社では開けなくなる可能性があります。
そのため、共同作業では作業開始前に**基準バージョンを決めて**、ファイル名にも「ID2022」「IDML書き出し済み」などの情報を入れておくと、誤って上位バージョンで保存してしまうリスクを減らせます。
バージョンだけでなく、フォント・画像・プラグイン環境も確認を
確認時に見落としやすいのが、InDesign本体だけでなく、**フォント・リンク画像・プラグインの環境**です。
ファイルが開けても、使用フォントが相手側にないと文字組みが変わってしまいますし、リンク画像が不足していれば出力品質にも影響します。
また、特殊な自動組版プラグインや外部連携機能を使っているデータは、同じInDesignバージョンでも完全に再現できないことがあります。
バージョン確認は**「開けるかどうか」だけでなく、「同じ見た目で編集・出力できるか」**まで含めて考える必要があります。
古いバージョンへ変換する下位保存はIDMLを使う
InDesignで古いバージョンへデータを渡す場合、基本的な方法は**INDDをそのまま下位保存するのではなく、IDML形式に書き出す**ことです。
IDMLとは?
**IDML**は「InDesign Markup Language」の略で、InDesignのドキュメント構造をXMLベースで保存する交換用ファイル形式です。
主に、新しいInDesignで作成したデータを、対応する古いInDesignで開くために使われます。
**CS4以降のInDesign**はIDMLを扱えるため、CC以降のデータを古い環境へ渡すときの標準的な手段になっています。
下位保存の基本手順
下位保存の手順はシンプルですが、**作業前に必ず元データを複製しておく**ことが大切です。
元のINDDを上書きしながら変換作業を進めると、万が一レイアウト崩れやリンク切れが起きた場合に戻せなくなる可能性があります。
実務では、変換用フォルダを作り、INDD、リンク画像、フォント情報、確認用PDFをまとめて管理すると安全です。
1. **新しいInDesignで元のINDDファイルを開く**
2. **「ファイル」メニューから「書き出し」を選ぶ**
3. **ファイル形式で「InDesign Markup(IDML)」を選んで保存する**
4. **変換先の古いInDesignでIDMLを開く**
5. **開いた後、古いバージョンのINDDとして別名保存する**
6. **変換前後のPDFを比較し、文字組み・画像・ページ数を確認する**
IDMLは「完全な下位保存」ではない
注意したいのは、IDMLは**「完全な下位保存」ではなく「互換用の変換形式」**だという点です。
IDMLを開けたとしても、新しいInDesign独自の機能が古いバージョンに存在しない場合、その機能は削除されたり、別の表現に置き換わったり、見た目が変わったりすることがあります。
特に、以下のような機能は古い環境で再現性に差が出やすい部分です。
– 段落境界線
– 脚注・文末脚注
– 可変フォント
– カラー絵文字
– インタラクティブ機能
– 最新の文字組み関連機能
印刷物の場合は、画面で開けたことを完了とせず、**必ずPDFを書き出して校正する**必要があります。
CS3以前の非常に古い環境への対応
CS3以前のような非常に古い環境では、IDMLだけで対応できない場合があります。
CS3では**INX**という旧形式が使われていたため、変換には中間バージョンが必要になることがあります。
ただし、現在ではCS3やCS4を安定して動かせるOS環境を用意すること自体が難しく、現実的な対応としては、以下のような流れになります。
– 相手先に**PDF入稿でよいか確認する**
– 編集可能データが必要なら**新しい環境へ移行してもらう**
– または**再制作を検討する**
古いバージョンへの変換は、技術的に可能かどうかだけでなく、**品質保証できるかどうか**で判断することが重要です。
下位保存・入稿時に起こりやすいトラブルと注意点
文字組みの変化
下位保存で最も多いトラブルは、**文字組みの変化**です。
InDesignはバージョンによって文字組みエンジン、禁則処理、ハイフネーション、合成フォント、OpenType機能の扱いが変わることがあります。
そのため、同じフォントが入っていても、以下のような部分が微妙に変わる場合があります。
– 行末の送り
– 改行位置
– 縦組みの記号
– ルビ
– 表組みのセル内テキスト
数ページのチラシなら目視で確認しやすいですが、冊子やカタログのようにページ数が多いデータでは、**1行のズレが後続ページ全体に影響する**こともあります。
画像や効果の確認も必要
リンク画像が不足していると低解像度プレビューのまま表示されたり、透明効果、ドロップシャドウ、乗算、特色、オーバープリントの見え方が変わったりすることがあります。
特に印刷データでは、InDesign上の表示だけで判断せず、**PDF/X形式で書き出したPDFをAcrobatの出力プレビューで確認する**ことが大切です。
以下のような項目を見ておく必要があります。
– 特色が意図せずプロセスカラーに変換されていないか
– 黒文字にオーバープリントが正しく設定されているか
– 画像解像度が足りているか
下位保存を依頼された場合の確認項目
下位保存を依頼された場合は、**作業前に相手へ確認すべき項目を整理しておく**と、手戻りを大きく減らせます。
単に「古いバージョンでください」と言われた場合でも、実際には編集用なのか、印刷入稿用なのか、確認用なのかで最適な渡し方が変わります。
– **相手が使用しているInDesignの製品名と内部バージョン**
– **編集が必要なのか、印刷用PDFだけでよいのか**
– **使用フォントを相手が持っているか、アウトライン化やPDF化でよいか**
– **リンク画像、配置AI・PSD・PDFの受け渡し方法**
– **変換後のレイアウト確認を誰が最終責任で行うか**
確認用PDFを一緒に渡すと安心
安全な運用としては、**INDDやIDMLだけでなく、必ず確認用PDFを一緒に渡す**ことをおすすめします。
確認用PDFがあれば、相手側でIDMLを開いた後に、元の見た目と比較できます。
また、印刷会社へ入稿する場合は、ネイティブデータよりも**PDF入稿のほうがトラブルを抑えられる**ことがあります。
もちろん修正が必要な案件では編集可能データも重要ですが、最終出力の基準をPDFにしておくことで、「InDesign上では少し違うが、印刷用PDFは正しい」という判断がしやすくなります。
まとめ:InDesignのバージョン管理で大切なこと
InDesignのバージョン管理で大切なのは、**変換できるかどうかだけに注目しない**ことです。
新しいバージョンで作ったデザインを古い環境へ戻すほど、機能差による崩れや再現性の低下が起こりやすくなります。
以下の基本を徹底すれば、多くのトラブルは未然に防げます。
– **作業開始時に使用バージョンをそろえる**
– **Creative Cloudの自動アップデートを不用意に行わない**
– **元データと変換データを分けて保管する**
– **PDFで最終確認する**
InDesignの下位保存は便利な機能ではありますが、あくまで**受け渡しのための変換手段**として扱い、最後は必ず人の目と出力確認で品質を担保しましょう。
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