InDesignの親ページについてお探しですね。

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InDesignの親ページ(旧マスターページ)を使いこなそう

InDesignで冊子やカタログ、パンフレットを作っていると、「全ページに同じものを配置したいな」という場面がよくあります。

たとえばページ番号、柱(ページの上や下に入る見出し)、会社のロゴ、余白のガイドラインなどです。

これらを毎回手作業で配置していくと、修正漏れが起きたり、位置がちょっとずつズレたりして、ページ数が増えるほど管理が大変になってしまいます。

そんなときに便利なのが「親ページ(旧マスターページ)」という機能です。

この記事では、親ページの基本的な考え方から、作り方、ページへの適用方法、解除や個別編集のやり方まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

1. InDesignの「親ページ」って何?

親ページとは、複数のページに共通して表示したい要素をまとめて管理できる、テンプレートのようなページのことです。

以前は「マスターページ」と呼ばれていましたが、今のInDesignでは「親ページ」という名前に変わっています。

機能自体はほとんど変わっていないので、共通レイアウトを一括管理する便利な仕組みだと思ってください。

たとえば、ページ番号、柱、会社ロゴ、背景色、罫線、見出しの位置、余白の目安などを親ページに配置しておけば、その親ページを適用したすべてのページに同じ要素が自動的に反映されます。

100ページある冊子でも、親ページ上のロゴ位置を変更するだけで、適用しているページ全体にまとめて反映されるので、修正作業がとても楽になります。

親ページの便利なところは、「全ページ共通の部分」と「各ページ独自の内容」を分けて管理できることです。

各ページには本文や写真など、ページごとに違う内容を配置して、親ページには全体で統一したい要素を置く。

この使い分けができると、デザインの統一感を保ちやすくなりますし、あとから仕様変更があっても対応しやすくなります。

ただし、親ページは何でもかんでも置けばいい場所ではありません。

特定の1ページだけにしか使わない装飾や、ページごとに頻繁に変わる要素まで親ページに入れてしまうと、かえって編集しづらくなります。

基本的には「複数ページで繰り返し使うもの」「全体のルールとして固定したいもの」を置く場所だと考えると、使い分けで迷わなくなります。

2. 親ページの作り方と入れておきたい基本要素

親ページは、InDesignの「ページ」パネルから作成・管理します。

ページパネルを開くと、通常のドキュメントページと、その上部に親ページの領域が表示されています。

新しくドキュメントを作ると、たいてい「A-親ページ」のような親ページが最初から用意されているので、ここを編集することで基本の共通レイアウトを作れます。

新しい親ページを追加したいときは、ページパネルのメニューから「新規親ページ」を選びます。

名前や接頭辞、ページ数、基準にする親ページなどを設定できるので、本文用、章扉用、索引用など、用途ごとに親ページを分けて作成できます。

見開きのドキュメントでは、左ページと右ページで柱やページ番号の位置が変わることが多いので、見開き状態で左右それぞれの配置をしっかり整えることが大切です。

親ページに配置しておくと便利な要素には、こんなものがあります。

– **ページ番号、柱、章タイトル**などの共通テキスト
– **ロゴ、背景、罫線、装飾パーツ**などの共通デザイン
– **余白、段組、ガイド**などレイアウトの基準になる要素

特にページ番号は、親ページで設定する代表的な要素です。

テキストフレームを作成して、文字メニューから「特殊文字を挿入」→「マーカー」→「現在のページ番号」を選ぶと、親ページ上では親ページの接頭辞(「A」など)が表示されますが、実際のページでは各ページ番号に自動で置き換わります。

手入力でページ番号を入れると、ページの追加や削除をしたときにズレやすいので、自動番号を使うのが基本です。

また、親ページを作るときはレイヤー構成にも注意しておきましょう。

背景や飾りは下のレイヤー、ページ番号や柱は上のレイヤーに置くなど、あとから編集する人にも分かりやすい構成にしておくと、データの引き継ぎがスムーズになります。

親ページは一度作って終わりではなく、制作中に何度も参照・調整する場所なので、名前や配置ルールを整理しておくことが実務では大切です。

3. 親ページをページに適用する方法と使い分け

作成した親ページは、ページパネルから好きなドキュメントページに適用できます。

一番簡単な方法は、ページパネル上部にある親ページのアイコンを、下部の通常ページのアイコンへドラッグする方法です。

複数ページにまとめて適用したいときは、対象ページを選択してからページパネルメニューの「親ページをページに適用」を使うと効率的です。

ページ数が少ないチラシや数ページの資料なら、ドラッグ操作だけでも十分です。

でも、数十ページ以上の冊子では、ページ範囲を指定して適用する方法を覚えておくと作業が安定します。

たとえば「1〜4ページは表紙まわり用」「5〜80ページは本文用」「81〜84ページは奥付や広告用」のように、範囲ごとに親ページを切り替えることで、全体の設計が分かりやすくなります。

親ページは1種類だけで運用する必要はありません。

実際の仕事では、本文用の親ページ、章扉用の親ページ、白紙に近い親ページ、広告ページ用の親ページなど、複数の親ページを使い分けることがよくあります。

さらに、ある親ページを別の親ページの「基準」にして作ることもできます。

これを使うと、共通の余白や柱のルールを保ったまま、一部だけ違うデザインを作ることができます。

親ページを適用すると、通常ページ上には親ページ由来の要素が表示されますが、基本的にはそのまま選択・編集できません。

これは、間違って共通パーツを動かしてしまうことを防ぐための仕組みです。

編集できないからといって不具合ではなく、親ページの要素として保護されている状態なので、安心してください。

なお、親ページを適用しても、各ページに配置済みの本文や画像が消えるわけではありません。

親ページの要素が背景や前面に追加されるようなイメージです。

ただし、レイヤーの重なり順やオブジェクトの位置によっては、本文と親ページ要素が重なって見えることがあります。

適用後は、数ページだけでなく見開き全体や代表的なページを確認して、意図した見え方になっているかチェックすることが大切です。

4. 親ページの解除・個別編集・トラブル対処の基本

親ページの適用を解除したいときは、ページパネルで対象ページを選んで、「なし」または「[なし]」の親ページを適用します。

これで、そのページには親ページ由来の要素が表示されなくなります。

表紙、扉、白ページ、全面写真のページなど、共通の柱やページ番号を出したくないページでは、この方法を使うのが基本です。

一方で、「親ページは適用したまま、このページだけページ番号の位置を少し変えたい」「このページだけ柱を消したい」というケースもあります。

この場合は、親ページの適用を完全に解除するのではなく、親ページアイテムを個別にオーバーライドして編集します。

一般的には、WindowsではCtrl+Shift、MacではCommand+Shiftを押しながら対象オブジェクトをクリックすると、通常ページ上でその親ページアイテムを選択できるようになります。

ただし、オーバーライドは便利な反面、使いすぎると管理が複雑になります。

親ページを修正しても、オーバーライドした要素には意図どおり反映されない場合があるからです。

全体で共通して変更したいものは親ページ側で直して、特定ページだけの例外はオーバーライドで対応する、という基準を持っておくと混乱を避けられます。

親ページまわりでよくあるトラブルには、こんなものがあります。

– ページ番号が表示されない、または同じ文字のままになる
– 親ページの要素が選択できず編集できない
– 親ページを解除したのに一部の要素が残っている

ページ番号が正しく表示されない場合は、手入力ではなく「現在のページ番号」マーカーを使っているか確認してください。

親ページ上では「A」などの接頭辞に見えることがありますが、通常ページでは実際の番号に変わるので、親ページ上の表示だけを見て誤解しないようにしましょう。

親ページ要素が選択できない場合は、親ページ側で編集するものなのか、通常ページでオーバーライドすべきものなのかを切り分けることが大切です。

また、親ページを解除したのに要素が残る場合、その要素はすでに通常ページ上でオーバーライドされて、親ページから独立したオブジェクトになっている可能性があります。

その場合は、通常のオブジェクトとして選択して削除する必要があります。

逆に、親ページに戻して一括管理したい場合は、個別ページに残った重複要素を整理して、親ページ側に正しい共通パーツを配置し直すとよいでしょう。

親ページを上手に使うコツは、最初に完璧な設計を目指しすぎないことです。

まず本文用の基本親ページを作って、作業を進めながら章扉用や例外ページ用を追加していくと、実際の制作に合わせて無理なく整えられます。

InDesignの親ページは、単なる時短機能ではなく、長いドキュメントの品質を安定させるための設計機能です。

作成、適用、解除、個別編集の流れを理解しておけば、ページ数の多い制作物でも修正に強いデータを作れるようになります。

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