InDesignで冊子の作り方をお探しですね。

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InDesignで冊子・本を作るときの完全ガイド【初心者向け】

冊子や本をInDesignで作るとき、最初につまずきやすいのが「ページサイズって見開きで作るの?」「塗り足しやトンボってどう設定すればいいの?」「PDFはどの形式で書き出せばいいの?」といった、入稿まわりの基本的なところです。

InDesignは複数ページの編集がとても得意なソフトなんですが、設定を間違えると、仕上がりサイズがズレたり、画像が粗くなったり、文字化けしたり、色味が変わったりすることがあります。

この記事では、InDesignで冊子・本を作るときの「ページ設定からレイアウト、PDF書き出し、入稿前チェックまで」を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

1. InDesignで冊子・本を作る前に決めておくこと

InDesignで冊子や本を作り始める前に、まず決めるべきなのはデザインではなく**「印刷物としての仕様」**です。

具体的には、こんなことを最初に整理しておきましょう。

– 仕上がりサイズ(A4、B5、A5、文庫サイズなど)
– ページ数
– 綴じ方(中綴じ、無線綴じなど)
– 開き方向(右開き、左開き)
– 印刷カラー(フルカラー、モノクロなど)
– 用紙の種類
– 印刷部数

仕上がりサイズが変わると、本文の文字サイズや余白の設計も変わってきます。

また、中綴じ冊子はページ数が4の倍数である必要があるし、無線綴じは背幅が発生するので表紙データの作り方が変わります。

仕様を曖昧にしたまま制作を進めると、後から全ページの調整が必要になることがあるので、**最初の設計がとても重要**です。

開き方向を間違えないように注意

冊子には「右開き」と「左開き」があります。

– **右開き**:小説、文集、縦書きの冊子
– **左開き**:カタログ、報告書、横書きの資料

InDesignでは新規ドキュメント作成時やドキュメント設定で綴じ方向を指定できるので、内容に合った開き方を選びます。

ここを間違えると、見開きページの左右関係やノド側(綴じ側)の余白設計が逆になって、読みにくい冊子になってしまいます。

特に写真集や作品集のように見開きで見せるページがある場合は、開き方向とページ順を早めに確認しておきましょう。

製本方法によってデザインの注意点が変わる

製本方法によっても、デザイン上の注意点は変わってきます。

**中綴じ**は、ページを開きやすくて、パンフレットや薄い冊子に向いています。

ただし、中央に向かってページが少しずれる「小口側のズレ」が起こることがあります。

**無線綴じ**は、ページ数の多い本や報告書に向いていますが、ノド側が開きにくくなるので、本文や重要な図版を内側に寄せすぎない設計が必要です。

リング製本や平綴じも用途によって便利ですが、穴あけ位置や綴じ側の余白をしっかり確保しなければなりません。

InDesignの設定だけでなく、**完成した冊子を手に取ったときの読みやすさまで考える**ことが、失敗しない冊子デザインの第一歩です。

2. InDesignのページ設定と基本レイアウトの作り方

新規ドキュメントは「仕上がりサイズ」で作る

InDesignで新規ドキュメントを作成するときは、ページサイズを**「仕上がりサイズ」**で設定します。

たとえばA4冊子を作るなら、見開きのA3サイズではなく、1ページ単位でA4サイズにします。

冊子印刷の入稿データは、多くの場合、1ページ目から最終ページまで順番に並んだ「単ページPDF」で入稿します。

InDesign上では見開き表示で作業できますが、データそのものは各ページが独立した状態で管理されるので、ページものの編集にとても適しています。

Illustratorでも複数アートボードで冊子を作れますが、ページ数が多い場合はInDesignのページ管理機能を使う方が断然効率的です。

新規ドキュメントで設定すること

新規ドキュメントでは、以下の項目を設定します。

– **見開きページ**:オンにする
– **綴じ方向**:右開きか左開きか
– **ページ数**:最初から設定しておくと楽
– **マージン**:ページ端からの余白
– **裁ち落とし**:上下左右3mm

**裁ち落とし**とは、仕上がりサイズの外側にはみ出して作る印刷領域のことです。

一般的には上下左右3mmを設定します。

背景色や写真をページ端まで入れる場合、この3mmの塗り足しがないと、断裁時のわずかなズレで紙の白い部分が出る可能性があります。

たとえばA4仕上がりで全面に写真を敷く場合、写真はA4ぴったりではなく、**外側3mmまで伸ばして配置**します。

塗り足しは小さな設定に見えますが、印刷品質に直結する重要な項目です。

マージンとノド側の余白を丁寧に設計する

本文レイアウトでは、マージンとノド側の余白を丁寧に設計します。

マージンはページ端から本文や図版までの余白で、読みやすさと印象を大きく左右します。

無線綴じのように背が糊で固められる冊子では、ノド側に文字を寄せすぎると読みにくくなるので、外側よりも内側の余白を広めに取ることがあります。

InDesignでは**親ページ**(旧名称ではマスターページ)を使うことで、ページ番号、柱(ページ上部の章タイトルなど)、共通の罫線などを複数ページに一括反映できます。

ページ数の多い本ほど、親ページと段落スタイルを活用することで、修正作業が大幅に楽になります。

本文組みはテキストフレームで管理する

本文組みでは、テキストフレームを作成して、文章を流し込んで整えます。

InDesignは文字を直接置くというより、**フレームの中に文字や画像を配置してレイアウトする**考え方です。

長い本文はテキストフレーム同士を連結して、ページをまたいで自然に流れるように設定します。

見出し、本文、キャプション、ノンブル(ページ番号)などは**段落スタイルや文字スタイル**で管理すると、後からフォントや行間を変更するときに一括調整できます。

デザインの見た目だけでなく、**修正しやすいデータ構造を作る**ことも、InDesignで冊子を作る大きなメリットです。

3. 画像・文字・色の設定で仕上がり品質を高める

画像の解像度は300〜350dpiが目安

冊子や本のデザインでよく起こるトラブルのひとつが、**画像の解像度不足**です。

印刷用の写真やイラストは、配置する実寸サイズで**300〜350dpi程度**が目安です。

Webサイトから取得した画像やスマートフォン用に圧縮された画像は、画面ではきれいに見えても印刷すると粗くなることがあります。

InDesignでは**リンクパネル**で配置画像の状態を確認できるので、リンク切れ、更新漏れ、実効解像度を入稿前に確認しましょう。

特に写真集、作品集、商品カタログのように画像品質が印象を左右する冊子では、元画像の品質管理がとても重要です。

印刷用データは基本的にCMYK

色の設定では、印刷用データは基本的に**CMYK**を前提にします。

– **RGB**:画面表示に適した色の方式
– **CMYK**:印刷インキに合わせた色の方式

RGBの鮮やかな青や緑、蛍光色のような色は、CMYKに変換するとくすんだ印象になることがあります。

InDesign上で配置する画像がRGBのままだと、PDF書き出し時や印刷会社側の処理で色が変換されて、想定と異なる仕上がりになる場合があります。

写真の鮮やかさを重視する場合は、入稿先がRGB印刷に対応しているか、通常のCMYK入稿を求めているかを事前に確認することが大切です。

フォントの埋め込みとアウトライン化

フォントも入稿トラブルが起こりやすいポイントです。

InDesignからPDFを書き出す場合、通常は**フォントを埋め込む**ことで、別の環境でも同じ文字として表示・印刷できます。

ただし、フォントによっては埋め込み制限がある場合や、印刷会社のルールで**アウトライン化**を求められる場合があります。

アウトライン化とは、文字を図形化してフォント依存をなくす処理ですが、実行後は文字修正ができなくなるので、**必ず編集用データを別に保存してから**行います。

本文量の多い冊子では、すべてをアウトライン化するとデータが重くなることもあるので、PDF入稿のルールに従うのが基本です。

読みやすい冊子にするための基本

読みやすい冊子にするためには、見た目の装飾よりも**情報の整理**が重要です。

本文の文字サイズは冊子の用途によって変わりますが、一般的な読み物では**9〜11pt程度**が使われることが多く、行間は詰めすぎない方が読みやすくなります。

見出し、本文、注釈、キャプションの役割を明確にして、余白に意味を持たせることで、ページ全体が整って見えます。

**入稿前の最低限チェック項目**

– 画像のリンク切れがなく、実効解像度が不足していない
– 文字が仕上がり線やノド側に近すぎない
– 背景や写真が塗り足し3mmまで伸びている
– RGB画像や特色が意図せず残っていない
– ページ番号、目次、章タイトルにズレがない

4. PDF書き出しから入稿前チェックまでの流れ

InDesignからPDFを書き出す

InDesignで冊子データが完成したら、印刷会社に入稿するためのPDFを書き出します。

基本操作は「ファイル」から「書き出し」を選んで、形式を**「Adobe PDF(印刷)」**に設定します。

PDFプリセットは印刷会社の指定に従うのが最優先ですが、商業印刷では**PDF/X-1a**や**PDF/X-4**がよく使われます。

– **PDF/X-1a**:CMYKとグレースケールを前提にして、透明効果を分割統合する。

古いワークフローでも安定しやすい
– **PDF/X-4**:透明効果を保持できる形式。

対応している印刷会社では高品質な処理が可能

どちらが正解かは入稿先の設備やルールによって異なるので、**必ず入稿ガイドを確認**しましょう。

トンボと裁ち落としの設定に注意

PDF書き出し時に特に注意したいのが、**トンボと裁ち落としの設定**です。

印刷会社によって、トンボが必要な場合と不要な場合があります。

トンボとは、断裁位置を示す目印のことで、印刷会社が仕上げ位置を確認するために使います。

一方で、冊子印刷ではトンボなしの単ページPDFを指定する会社もあります。

共通して重要なのは、**裁ち落とし(塗り足し)が四方3mm設定されていること**です。

InDesignの「ドキュメントの裁ち落とし設定を使用」にチェックを入れると、新規作成時に設定した3mmが反映されます。

過去データを流用する場合は、ドキュメント設定で数値が変わっていないか確認しましょう。

PDFを書き出したら必ず確認する

入稿用PDFを書き出した後は、InDesignではなく**Acrobat ReaderなどのPDF閲覧ソフト**で最終確認します。

制作画面では問題がないように見えても、PDF化の段階で画像の抜け、文字化け、透明効果の見え方の変化、ページ順のミスが起こることがあります。

特に冊子では、1ページでも順番が違うと乱丁の原因になります。

PDFは1ページ目から最終ページまで連続した単一ファイルにまとめるのが一般的で、表紙と本文を別ファイルにする場合は印刷会社の指定に合わせます。

無線綴じで背表紙がある場合は、本文ページ数と用紙厚から背幅を計算して、表紙データに正しく反映する必要があります。

入稿前の最終チェック

入稿前の最終チェックでは、印刷用データとして不備がないかを客観的に見直します。

画面上のデザイン確認だけでなく、**可能であれば実寸でプリントして**、文字の小ささ、余白、写真の見え方を確認すると安心です。

冊子はページをめくって読む媒体なので、見開きの流れや章の切り替わり、ノンブルの位置なども紙で確認するとミスに気づきやすくなります。

最終的には、印刷会社の入稿ガイドに合わせて、以下を整えます。

– PDF形式
– カラーモード
– 塗り足し
– トンボ
– フォント
– 画像解像度
– ファイル名

InDesignで作る冊子・本は、**最初の仕様設計、正しいページ設定、安定したPDF書き出しの3つ**がそろうことで、完成度の高い印刷物になります。

この記事を参考に、ぜひ素敵な冊子・本を作ってみてください!

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