InDesignのテキスト変数の使い方をお探しですね。
InDesignで冊子を作るとき、ページの上に出てくる章タイトル(ヘッダーや「柱」と呼ばれます)を毎回手で入力していませんか?それだと、章の名前を変えたときや、ページを追加・削除したときに、いちいち直さないといけなくて大変ですよね。
そんなときに便利なのが、InDesignの「テキスト変数」という機能です。
この記事では、ヘッダーに章タイトルを自動で入れる方法を、初めての人にも分かりやすく説明していきます。
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InDesignの「柱」とテキスト変数って何?
まず「柱」について説明しますね。
柱というのは、本や冊子のページの上のほう(場合によっては下)に書いてある、章のタイトルや見出しのことです。
Webサイトでいうヘッダーみたいなもので、「いま自分がどの章を読んでいるのか」がパッと分かるようにするために付けられています。
ページ数が多い資料だと、柱があるだけで全体の流れがつかみやすくなって、読みやすさがグッと上がるんです。
この柱を手作業で入力していると、本文の章タイトルを変えたのに柱は古いまま…なんてことがよく起こります。
また、ページを追加したり削除したりして章の始まる位置が変わると、柱と実際の内容がズレてしまうこともあります。
InDesignの「テキスト変数」を使えば、こういったミスを防げます。
本文の中の特定のスタイルを自動で読み取って、親ページ(マスターページ)のヘッダーに表示してくれる便利な機能なんです。
テキスト変数にはいろんな種類があって、ファイル名や作成日、出力日、章番号なんかも表示できます。
でも、柱を作るときによく使うのは「ランニングヘッド・柱」というタイプです。
ランニングヘッドっていうのは、ページをまたいで継続的に表示される見出し情報のこと。
InDesignでは「ランニングヘッド・柱(段落スタイル)」または「ランニングヘッド・柱(文字スタイル)」を設定することで、本文の章タイトルや小見出しを自動的にヘッダーへ反映できるんです。
ここで大事なのは、テキスト変数が「どの文字を拾ってくるか」は、本文に設定されているスタイルで決まるということ。
たとえば章タイトルに「見出し1」という段落スタイルを付けて、そのスタイルをテキスト変数に指定すると、各ページに出てくる「見出し1」の内容が柱に表示されます。
つまり、柱をちゃんと自動化するには、親ページだけじゃなくて、本文側の段落スタイルや文字スタイルもきちんと整えておく必要があるんですね。
段落スタイルを使って章タイトルを自動で柱に入れる方法
一番基本的なやり方は、章タイトルに段落スタイルを設定して、そのスタイルをテキスト変数で参照する方法です。
まず、本文の章タイトルに段落スタイルを適用します。
たとえば「第1章 InDesignの基本」「第2章 レイアウトの考え方」みたいな見出しに、「章タイトル」という名前の段落スタイルを設定しておきましょう。
柱に表示したい章タイトル全部に、同じ段落スタイルを付けるのがポイントです。
次に、メニューから[書式]→[テキスト変数]→[変数を管理]を開きます。
ダイアログには最初からいくつか変数が用意されているので、「ランニングヘッド・柱」を選んで新しく作るか、編集します。
新しく作る場合は、名前を「柱:章タイトル」みたいに分かりやすくしておくと、後で管理しやすいですよ。
種類は「ランニングヘッド・柱(段落スタイル)」を選んで、スタイルには先ほど章タイトルに付けた段落スタイルを指定します。
「使用」の設定では、「ページの先頭」か「ページの最後」を選べます。
普通の章タイトルの柱なら、そのページで最初に出てくる章タイトルを表示したいことが多いので、「ページの先頭」を選ぶケースが多いです。
逆に、索引とか用語集みたいに、そのページの最後に出てくる項目を表示したいときは「ページの最後」が便利です。
ここを理解しておくと、いろんなパターンに応用できますよ。
テキスト変数を作ったら、親ページに移動して柱用のテキストフレームを作ります。
InDesignの新しいバージョンでは「マスターページ」じゃなくて「親ページ」って呼ばれてますが、考え方はテンプレートページと同じです。
柱を表示したい場所にテキストフレームを置いて、カーソルを入れた状態で[書式]→[テキスト変数]→[変数を挿入]から、さっき作った変数を選びます。
親ページ上では「<柱:章タイトル>」みたいな表示になりますが、本文ページでは実際の章タイトルに変わって表示されます。
柱の文字の大きさ、フォント、揃え方、罫線なんかの見た目は、親ページ上のテキストフレームで普通の文字と同じように設定できます。
本文の章タイトルの書式がそのまま反映されるわけじゃないので、ヘッダー用に小さめの文字にしたり、右寄せ・左寄せにしたりは別で設定しましょう。
左ページには章タイトル、右ページには節タイトルを表示するみたいに、見開きで違う柱を作る場合は、それぞれ別のテキスト変数とテキストフレームを用意すると管理しやすいですよ。
文字スタイル版の使い方と、応用テクニック
段落スタイルを使う方法は分かりやすいんですが、段落全体が柱に表示されるという特徴があります。
たとえば章タイトルの段落に「第1章 基本操作」って書いてあって、柱には「基本操作」だけを表示したい場合、段落スタイルだけだと「第1章」まで入っちゃうことがあります。
こんなときに便利なのが「ランニングヘッド・柱(文字スタイル)」です。
柱に使いたい部分だけに文字スタイルを付ければ、その部分だけをヘッダーに表示できるんです。
文字スタイル版の設定手順は、段落スタイル版とほぼ同じです。
まず、柱に表示したい文字列に専用の文字スタイルを付けます。
次に[書式]→[テキスト変数]→[変数を管理]で新しい変数を作って、種類を「ランニングヘッド・柱(文字スタイル)」にします。
スタイルには、さっき付けた文字スタイルを指定すればOK。
これで、段落全体じゃなくて、文字スタイルが付いた範囲だけを柱として拾ってこれます。
ただし、文字スタイルを使うときは注意点があります。
段落スタイルの中の正規表現スタイルで自動的に付いた文字スタイルは、テキスト変数が認識してくれないことがあるんです。
確実に柱に反映させたい文字には、文字スタイルを直接付けておくのが安全です。
あと、文字スタイルを付け忘れた箇所は柱に出てこないので、長いドキュメントでは検索機能やスタイルパネルを使って付け忘れがないかチェックするといいですよ。
応用編として、「ページの先頭」と「ページの最後」を組み合わせる方法もあります。
索引とか用語集では、ページの上に「あ−お」「A−G」みたいに、そのページに載ってる最初と最後の項目を表示したいことがありますよね。
この場合は、同じ段落スタイルか文字スタイルを参照するテキスト変数を2つ作って、一方を「ページの先頭」、もう一方を「ページの最後」に設定します。
親ページ上の柱フレームに2つの変数を並べて、間にハイフンを入れれば、範囲表示の柱が自動で作れます。
さらに、テキスト変数には「先行テキスト」と「後続テキスト」を指定できます。
たとえば柱の前に「Chapter 」を付けたり、後ろに区切り記号を付けたりするときに便利です。
毎回親ページ上で固定の文字を入力してもいいんですが、変数側に設定しておくと、同じルールを何箇所でも使い回せて楽ですよ。
章タイトル、節タイトル、索引項目など、用途ごとに変数名を分けておくと、複雑な冊子でも管理しやすくなります。
うまく表示されないときのチェックポイントと実務での注意点
テキスト変数で柱を作ったのに、思った文字が表示されない…そんなときは、まず対象の段落スタイルや文字スタイルがちゃんと適用されているか確認してみてください。
見た目は章タイトルっぽくなっていても、実際にはスタイルを使わずに手動で整えただけ、ということがよくあります。
テキスト変数は見た目じゃなくてスタイルを基準に文字を拾ってくるので、スタイル管理がちゃんとできてないと正しく動きません。
特に複数人で作業してるデータでは、見出し用スタイルの使い方をみんなで共有しておくことが大事です。
空行にも注意が必要です。
対象の段落スタイルが、文字のない改行だけの段落に付いていると、InDesignがその空っぽの段落を柱の候補として扱うことがあります。
その結果、ヘッダーが空白になったり、前後のページとおかしな表示になったりすることがあるんです。
柱に使う段落スタイルは、表示したい見出し本文にだけ付けて、スペース調整とか空行には使わないようにしましょう。
余白を作りたいときは、段落の前後のアキやグリッド設定で調整するほうが安全ですよ。
表示がすぐに更新されない場合もあります。
本文の章タイトルを修正した直後に柱が変わらなくても、設定が間違ってるとは限りません。
画面をスクロールしたり、拡大縮小したり、ページを切り替えたりすると、表示が更新されて正しく反映されることがあります。
印刷する前には、PDF書き出し後の表示も確認しておくと安心です。
自動化されてるとはいえ、最終チェックでは章タイトルと柱が合ってるか、全ページ通して確認する習慣を持つと、印刷ミスを防ぎやすくなります。
特定のページだけ柱を表示したくない場合、テキスト変数の設定だけで「このページは非表示」って指定することは基本的にできません。
そういうときは、柱のない親ページを別に作ってそのページに適用するか、本文ページ側で親ページアイテムをオーバーライドして柱フレームを削除する方法で対応します。
扉ページ、章扉、広告ページ、白ページなんかは柱を外すことが多いので、制作の最初に「柱あり親ページ」と「柱なし親ページ」を用意しておくと作業がスムーズですよ。
見開きで特殊な柱を作る場合は、テキスト変数を入れたテキストフレームの位置にも気を配りましょう。
InDesignでは、変数がどのページの情報を拾うかが、テキストフレームの位置に影響されることがあります。
そのため、見開きの片側だけに柱を置きながら左右ページの情報を参照したい場合は、フレームの配置によって結果が変わることがあるんです。
普通の章タイトル表示ではあまり問題になりませんが、索引とか辞書みたいにページ単位の先頭・最後を厳密に扱うレイアウトでは覚えておきたいポイントです。
まとめ
InDesignのテキスト変数を使えば、ヘッダー(柱)に章タイトルを自動で入れられて、ページ数の多いドキュメントほど修正作業がグッと楽になります。
基本は「本文の見出しにスタイルを付ける」「テキスト変数でそのスタイルを参照する」「親ページに変数を挿入する」という流れです。
段落スタイルと文字スタイルの違い、ページ先頭・ページ最後の使い分け、柱を非表示にする方法まで理解しておけば、実務でも安定した柱設定ができますよ。
手入力の柱から卒業して、修正に強いInDesignデータを作るために、ぜひテキスト変数を活用してみてください!
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